question/よくある質問

コラム

自分の方向性の判断について; 「目標と夢について」

大学生の新入生に自分の好きなこと、興味のあることを探し、社会に出て活躍する場を探しなさいと多くの大学教員は指導している。本学の入学した学生のほとんどは、漠然とした方向性しかもっていなく、ひどい新入生は偏差値で入れる大学だから来たものもいる。他大学の学生もほぼ同じような学生も多いであろう。
では、今の大学生は、夢を持っていないのだろうか?多くの若者たちは、幼稚園や小学校時代には将来の夢を文集などに書いているはずである。先日も学研ホールディングスが「小学生Web版2016」を発表した。小学校6年生の将来つきたい職業の第2位に、科学者・研究者・技術者・エンジニアになっている。しかし、中学と高校の受験勉強だけのための勉強をしたために、その夢はどんどんなくなってしまったのかもしれない。このような状況が、日本における理科離れという現象にもつながっているのではないであろうか?実際に、日本の中学生2年生に数学と理科の学習に対する生徒の意識に関するアンケートをとっている(TIMSS2011調査結果)。この学生達は、2016年度の大学1年生にあたる。理科を勉強すると日常的に役に立つと思っているかという質問では、日本人中学生は57%に対し、国際平均は83%である。さらに数学・理科を使うことが含まれる職業に就きたいと思っているという質問では、日本人中学生は20%に対し、国際平均は56%である。このアンケート結果は非常にショックで、最近の全国大学入試の理系への進学者数が減少しているのは納得してしまう。
では、せっかく入学してくれた学生達に、どのように大学の学ぶことを好きになって、自分の方向性をしっかりと付けてもらうことができるであろうか?おそらく大部分の学生は、自分が興味を示したことや自分がやりたいことは、自分がこれまでの経験で楽しいと思ったことであるかもしれない。例えば、色んなパンやスイーツを食べているときが幸せを感じてきた学生は、食品会社に入って商品開発をしたいと思っているかもしれないし、自分の幼少あるいは自分の周りに重度な病気になった経験に遭遇した学生は、医薬品業界で活躍したいと思っているかもしれない。このような事例がない学生は、ほんの些細な事でも良いから、これまでの自分の経験や生活を振り返って、白紙の紙にそれらを書きだし、自己分析をしてほしい。
先ほども書いたが、多くの大学生は何となく大学に入学している学生が多いのが現状である。せっかく入学したのだから、必ず目標は持ってほしい。大学生活での目標、大学後の目標など持つことによって、大学における勉強のモチベーションは向上し、大学における生活も変わってくるはずである。私も大学に入学する際には、8年間(博士課程まで)の大学生活後に、大学教員になることを目標にして、日々勉学に研究に楽しく生活することができた。その一方で、大学生は目標を達成すればよいのではなく、目標とともに、自分の夢も必ず持って生活や研究はしてほしい。
私はテレビの番組撮りや、新聞社の取材に応じることが多いが、よく「あなたの現在と幼少期の目標と夢」を聞かれることがある。大学時代の夢は、将来社会に役立つ技術や商品を開発し、ベンチャー起業することと思っていた。実際に、昨年度、大学の技術シーズを基本として関西大学ベンチャー2社(㈱KUNAiと㈱KUREi)を立ち上げた。夢と目標の違いは、目標は明確であり、夢は漠然としている。実際、私は、ベンチャー起業は学生時代の夢であったが、大学の教員としての研究活動の中で目標に代わったのかもしれない。でもこの夢が現実になった今、夢がないのかというと、やはり夢は常に持ち続け、新たな目標達成の糧にしていこうと思っている。
高校生の受験生の皆さん、大学生の皆さん、今、一度自分の夢を模索してみるのもよいのではないでしょうか?さらに、これまでに自分が経験した楽しみを振り返り、自己分析すれば、自分のこれからの方向性を見出すかもしれません。

次回のコラム

次回のコラム